本棚の置物:『ムーンライトSY-3』

ちょっとした宇宙旅行。21世紀となった今、かつて空想の産物だったスペースプレーンも現実味を帯びようとしています。東京~NY2時間とか東京~ハワイ1時間の弾道軌道の航路も夢では無くなりました。さらに先は『ちょっくら月まで遊びに行ってくらぁ!』なんてことももしかしたら・・・。

註:さらに月には地殻の下に空洞があるとの調査結果が明らかに。SF映画のような月基地やグラナダシティやフォン・ブラウン市も夢では無くなるかも・・・。


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昭和40年代、テレビの画面からは未来感あふれるSFメカが所狭しと活躍していました。そして、銀幕でも魅力溢れるメカニックたちが当時の子供たちの心をときめかせました。さて、今回の『本棚の置物』は『怪獣総進撃』(1968/昭和43年)より『ムーンライトSY-3』を取り上げたいと思います。

『怪獣総進撃』はかつて、日本を暴れまくったゴジラをはじめとした怪獣たちがやっと人類と共存をし始めた20世紀末・1994年頃を舞台にしています。

註:設定西暦をはっきり記したのは講談社のムック本(製作会社のオフィシャルか、製作プロップ、もしくは脚本に記されていたかは不明)。実際にこの年にロードショーされていた『ゴジラVSスペースゴジラ』と比較するとゴジラの『安息の地』という暗喩がパラレルワールド的なお遊びを通して感じる。


怪獣たちが安息の地として過ごしている怪獣ランド。ただ、怪獣たちは電波コントロール環境下で大人しくなっているだけである。そのシステムがのちに侵略者・キラアク星人に付け込まれ、解放された怪獣たちは逆に操られてしまい、世界中を暴れまくる。

そんな戦闘下で地球・月と縦横無尽の活躍をするのが惑星間航行ロケットであるムーンライトSY-3。当時では珍しい可変翼の採用、ユニットブースターと合体しての宇宙航行。単機での大気圏突入・離脱・大気圏内飛行をノンオプションでこなす。時代が早すぎたメカニック的先駆性。F-14戦闘機やスペースシャトルはもう少し時間を待たなければならない。ウルトラ警備隊のメカやマイティ号と並んでこの時期の代表的スーパーメカニックとして語り継がれている。

註:超音速航行で発する衝撃波の波に乗っかって進むZガンダムの代名詞として名を馳せるウェイブライダーという構想はこの当時ではまだ確立されていなかったはず。だが、デザインはそれを匂わす。2000年以降、スペースプレーンX-51でやっと運用可能に。


デザインは井上泰幸と豊島睦。プロップはブースター付きの小型もののと、大小の飛行用2種が製作された。骨組みは木材、バルサ材を主材としてパテと塗装で木目を消しているとされている。よくよく見ないと飛行用プロップのブースター下部のユニット位置がまっすぐになりかかっているのは分からない(大小、現存写真ではどちらかは不明)。

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メイキング写真。

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現存するプロップ設計図。

映画公開時にバンダイのご先祖様メーカーであるマルザンからプラモデルがリリースされていた。現在では容易に入手出来る中古価格ではないので叶わなかったが、バンダイ『東宝マシンクロニクルver.1.5』のムーンライトが入手出来たのでレビュー。

前回の『地球防衛艦 轟天』同様、プロップのゆがみを修正したかのような整然とした完成度。尾翼が固定され収納できないのはサイズ上仕方が無い。フジミの『海底軍艦轟天号』のプラモは尾翼収納が出来るが、プラ板を貼って簡易ロック機構を増設しないと位置固定出来なくなることもあるので無理は禁物、といったところか。

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可変翼は見事に再現。これだけでも未来メカって感じがします。
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さて、ムーンライトSY-3といったら・・・・。そして、TV版エヴァンゲリオンのデザインを手がけた山下いくとの名作メカ、といったらこれ!!
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『ふしぎの海のナディア』より万能戦艦Ν-ノーチラス号です。コトブキヤ製プラキット。2014年11月発売時に当ブログの先代『気ままな趣味思考』で一度レビューを敢行しています。あれから3年。何処も壊れていません。
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オリジナルとオマージュ。せっかくなので並べて比較してみた。
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今回の記事を思い立った時には意識はしていませんでしたが、いざ、並べてみると感慨深いというかそっくりさんというか。心が奮い立ちます。もちろん、スーパーメカや特撮のオタクとして。あとは、ムーンライトのデザインに影響を与えたサンダーバード1号があれば最高だったな。オリジンとオマージュの系譜が出来たかも。これに関してはまた今度。
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スケールはかみ合っていないようです。このまま比較するとムーンライトが海底軍艦轟天号並(150メートル)の中型艦船になってしまう。N-ノーチラスは2199ヤマトと同じく333メートル。ムーンライトは46・7メートル。

註:N-ノーチラスは1/1000スケール。ムーンライトは約11センチのモデルなので46.7÷11=4.24545・・・×100=424.545・・・。したがって四捨五入して1/425スケール。


Ν-ノーチラスはムーンライトを基礎としてシルエットは『機動戦士ガンダム逆襲のシャア』で庵野監督が手掛け、最近は袖付きも運用したレウルーラ級戦艦、艦首のコーンは地球防衛軍旗艦アンドロメダネームシップ艦(もちろん『さらば宇宙戦艦ヤマト』のほう)、その他、マイティ号を意識したカラーリング、ゼントラーディ艦船のディテールが混在したいかにも異星人の戦闘艦、といった趣だ。
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さて、次回以降は・・・・考えています。この企画は特撮メインで展開しようかな、と。


参考文献:『東宝特撮映画全史』(東宝出版)
       『東宝特撮全怪獣図鑑』(小学館)
       『キャラクター大全ゴジラ東宝特撮全史』(講談社)
       『ウィキペディア』





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